Indie Game の域を超えたクオリティーの大作

想定よりも倍の時間をかけて生み出した最新作

脳トレアプリの『Brain Wars(ブレインウォーズ)』と『Brain Dots(ブレインドッツ)』を、立て続けにヒットさせたトランスリミット。2 つの作品は、海外を中心に累計 5000 万ダウンロードを突破。前作から約 3 年ぶりの新作となる『Craft Warriors(クラフト・ウォリアーズ)』は、世界中のゲームファンが待ち望んでいたタイトルである。気になるゲームジャンルには、これまでの作品とは大きく異なるリアルタイムストラテジーを採用した。

「『Brain Wars』と『Brain Dots』はどちらも成功しましたが、両方ともカジュアルなタイトルでした。そこで 3 本目は、アプリの本流である課金で大きな事業を成功させたいと考えて、開発をスタートさせました」とは、同社を率いる代表取締役社長の高場大樹氏。当初は 1 年での完成を目指していたが、『Craft Warriors』の開発には倍の 2 年を要した。

高場氏
「 20 名のスタッフがいたので、1 年で開発できると考えていましたが、気づいたら 2 年が経っていました(苦笑)。正直、ここまで時間がかかると思っていませんでしたし、私は全体を統括する立場だったのでかなり大変でしたが、本作が完成したことで、カジュアルなゲームだけではなく、大作も作れることがしっかりとアピールできました。会社としてノウハウを蓄積できたのも、チャレンジしてよかったと思います」

2 年ものチャレンジがゲームのクオリティとして来場者と審査員に認められ、トップ 3 の 1 本に選ばれた本作。トップ 20 に選出された感想を聞いたとき、高場氏は「優勝を目指しているので、選ばれただけでは満足していません」と語っていたが、彼の自信は現実のものとなる。

多くのプレイヤーを虜にした “クラフト機能”

高場氏を筆頭に、多くのエンジニアが集まったトランスリミットは、アイデアの企画ありきではなく、技術的な企画をベースに新作のゲームを開発するそうだ。新作の『Craft Warriors』は、タイトルにもなっている “クラフト機能” が企画のコアになっている。

高場氏
「当社は、エンジニア出身の人間が多いので、この技術を使って新しいゲームやアプリを作りたいと考える人間が多いんです。本作では、誰でも楽しめる “モデリングツール” のクラフト機能を提供したいと考えました」

キャラクターを創造できるクラフト機能は、高場氏たちが「最もこだわった」と胸を張るだけあって、実に本格的。色塗りはもちろん、制限された範囲内であれば、モデリングもできる。さらに、完成したオリジナルキャラクターをゲーム内のマーケットや、SNS を通じて公開できるのもポイント。ほかのプレイヤーと共有できる機能が功を奏したのか、高場氏は「 1 日に 20 万体ものキャラクターが生み出されています」と教えてくれた。

高場氏
「マーケティングの機能を実装するかどうかは、社内で賛否両論あったので、実装してよかったですね。マーケティングには、いわゆる “いいね” の機能もあり、多くのプレイヤーに支持されている人気クリエイターも存在します。人に評価してもらえるとうれしいですし、作るのが苦手な方でも、マーケティングを見ているだけも楽しめる。マーケティングは、ゲームを続けるモチベーションの 1 つとして作用しています」

自慢のクラフト機能は、タップしたときの手触りのよさにも徹底的にこだわっている。その1つが色が変わるときの演出方法。影響範囲が一瞬で変わるのではなく、波を打つように徐々に変わっていくことで、プレイヤーは色を塗りつぶす気持ちよさを体験できる。

高場氏
「カスタマイズ要素を充実させるために、クラフトできるアイテムを増やしました。クランのエンブレムなども自作できるので、『エンブレムがかっこいいからクランに入ろう』というように、クラフト機能はコミュニケーションの一環にもなっています」

バトルシステムにも妥協を許さない開発姿勢

本作は、バトルシステムにも随所にこだわりが見られる。その 1 つとして高場氏が挙げたのは、“キャラクターの AI (人工知能)” 。3D で再現された世界は、現実世界に近いぶん、ちょっとしたことでゲームをプレイしたときの違和感が強くなってしまう。

高場氏
「例えば、キャラクターや攻撃が建物をすり抜けるのはおかしいですし、攻撃を受けたときにリアクションがないのも変です。それぞれちゃんと当たり判定を設定して、プレイヤーが違和感を覚えないように、厳密に開発しています」

キャラクターの当たり判定は、骨格をベースに設定されているのも、本作ならではのポイント。骨格をベースにしていれば、見た目が変化しても当たり判定は変わらないので、1日 20 万体のペースでキャラクターが新しい増えても、大丈夫な仕様になっている。

高場氏
「今後はクラフトできる要素を追加したり、クラフト機能を別のタイトルとリンクさせたりしていきたいですね。それと、2017 年 12 月に実施したプレイヤーにサンタクロースを作ってもらうようなイベントも、また開催したいと考えています」

高場氏が特に実現させたいのは、ハロウィーンの時期に開催を計画している “ゾンビを作ってもらう” イベント。ゾンビは、日本はもちろん、世界中でお馴染みのキャラクターだけに、高場氏は「どんなゾンビが生まれるのか楽しみです」と顔を輝かせていた。クリエイターとプレイヤーがお互いにアイデアを刺激し合うことで、本作はますます盛り上がっていくことだろう。

Craft Warriors
古代都市“スカイランド”の復興を目指して、街の修繕や強化を行いながら、部隊を編成して世界中のプレイヤーと戦うリアルタイムストラテジー。3D モデルを作成できるクラフト機能を搭載しており、キャラクターやフラッグなどのアイテムを作成する楽しみも。